公務員の病気休暇は土日も含む?90日の数え方と給料満額のルール

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「動悸が止まらない。もう限界…」

職場の重圧や人間関係で心が限界を迎えたとき、頭をよぎるのが「病気休暇」の制度です。

しかし、いざ休もうと考えると、次のような疑問や不安が湧いてくるのではないでしょうか。

  • 「病気休暇の90日って、土日や祝日も日数に含まれるの?」
  • 「カレンダー通りなら約3か月だけど、実際のカウントはどうなる?」
  • 「休んでいる間のお給料は本当に減らない?」
  • 「もし90日で治らなかったら、クビになってしまうのか?」

私自身、係長時代に心身を崩して療養に入った際、カレンダーとにらめっこしながら「いつまで給与が出て、いつから減額になるのか」を必死に調べました。

結論から言うと、病気休暇の90日間は、基本的に「土日・祝日も日数に含まれる(暦日計算)」自治体が大半です。

この記事では、条例の規定を踏まえた「90日ルールの正しい計算方法」や「給与が満額出る仕組み」、知っておかないと後悔する「通算ルール」、そして「90日を超えたあとの生活と手続き」まで、元公務員の視点から分かりやすく整理しました。

目次

1. 病気休暇の「90日」に土日・祝日は含まれるのか?

病気休暇の日数計算において、最も誤解しやすいのが「勤務日(平日)だけを数えるのか、土日も含むのか」という点です。

原則は「連続して休む場合、土日・祝日も含まれる」

地方自治体の『職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例』やその施行規則において、病気休暇の期間は「引き続き勤務することができない期間」として定められているケースが一般的です。

つまり、週をまたいで連続して休む場合、勤務を要しない日(土曜日・日曜日・祝日)も90日の枠の中にカウント(暦日計算)されます。

休み方のパターン土日・祝日の扱い日数のカウント
金曜日まで休み、翌週月曜日も休む間の土日もカウント対象7日間として計算
月曜日から金曜日まで休み、翌週から出勤直後の土日はカウントされない5日間として計算
毎週水曜日だけ通院で単発取得土日はカウントされない勤務日(1日単位)のみ計算

精神的な不調などにより「1か月〜3か月の加療を要する」という診断書を提出して連続療養に入る場合は、カレンダー通りの実日数(土日祝込み)で90日間が消化されていくことになります。

「平日だけで90日(約4か月半)」休めるわけではないため、カレンダー上の実日数で約3か月間がひとつの目安となります。

2. 病気休暇中の給料はいくら出る?(有給の仕組み)

「仕事を休むとすぐに生活費に困るのではないか」と不安になる方も多いですが、病気休暇中は生活面で手厚い保護があります。

基本給は「100%(満額)」支給される

病気休暇の大きな特徴は、「有給の休暇」として扱われる点です。

条例に定められた90日の範囲内であれば、出勤していなくても以下の給料・手当が原則として満額支給されます。

  • 給料月額(基本給)
  • 地域手当
  • 扶養手当・住居手当

手取り額が少し下がる「2つの理由」

基本給は満額出ますが、通帳に振り込まれる手取り額は、普段の給与より数万円程度低くなるケースが一般的です。その理由は次の2点にあります。

  1. 時間外勤務手当や特殊勤務手当がつかない:残業手当がゼロになるため、普段残業代に依存していた家庭では収入減を感じやすくなります。
  2. 通勤手当の返納・停止:月の初日から末日までまったく出勤しなかった場合、通勤手当は支給対象外(または返納扱い)となります。

とはいえ、民間企業のように「休んだら即座に無給になり、共済や健保の傷病手当金(約67%)の振込を2か月待つ」という過酷な状況にはなりません。まずは90日間、給与を受け取りながら安心して療養に専念できる仕組みになっています。

3. 注意すべき「通算ルール」の仕組み

病気休暇を利用する上で、絶対に知っておかなければならないのが「通算ルール」です。

「一度職場に顔を出せば、また新しく90日間の枠がもらえる」と誤解している職員が少なくありませんが、現実は異なります。

通算ルールの基本原則

病気休暇から復帰した後、一定期間(多くの自治体では6か月〜1年間)継続して勤務しない限り、「同じ病名(または同種の疾病)」による病気休暇は前回の残日数から通算されます。

例えば、60日間病気休暇を取得して職場復帰したものの、無理がたたって1か月後に再発してしまった場合、残りの有給病気休暇枠は「30日間」しか残っていません。

焦って中途半端に復帰し、数週間でまた倒れてしまうと、あっという間に90日を使い切ってしまいます。主治医としっかり相談し、体調が安定するまで無理に出勤しないことが結果として身を守ることに繋がります。

4. 年次有給休暇(年休)と病気休暇、どちらを先に使うべき?

「受診する際、年休(有給)と病気休暇のどちらを先に使うべきか」という相談もよく受けます。実務上は、以下の2ステップで進めるのが最も確実です。

  1. 初診〜診断書が出るまで(数日間):手持ちの「年次有給休暇」を使って受診する。
  2. 診断書を取得した後:医師から診断書(「〇月〇日から休養を要する」等)が出た日から「病気休暇」に切り替える。

病気休暇の申請には、必ず医師の診断書が必要になります。受診前の段階で無理に病気休暇の手続きを取ろうとせず、まずは手持ちの年休を使って病院へ行き、診断書をもらってから病気休暇を申請するのが安全です。

精神科の受診から診断書をもらうまでのリアルな流れについては、以下の体験記事で詳しくまとめています👇

5. もし90日を超えてしまったらどうなるのか?

「90日で治りきらなかったら、クビ(免職)になってしまうのではないか」と強い恐怖を感じている方もいるでしょう。

結論から言うと、90日を超えてもすぐにクビになることは絶対にありません。

90日を消化した後は、地方公務員法第28条第2項に基づく「休職(分限休職)」という身分に移行し、引き続き治療に専念できるセーフティネットが用意されています。

① 90日経過後〜1年目:給料の80%が支給される

病気休暇(90日)が終了すると、人事から「休職発令」が出されます。

休職に入った初めの1年間は、条例に基づき「給料・扶養手当・地域手当等の80%」が自治体から支給されます(※住居手当や通勤手当などは支給されなくなります)。

② 休職中の手取りを圧迫する「税金と社会保険料」

ここで注意しなければならないのが、「手取りの減少幅」です。給与自体は8割出ますが、毎月天引きされる「住民税」や「共済組合掛金」は、前年の所得を基準に計算されているため減額されません。

総支給が8割に落ちた状態で、税金や掛金がそのまま引かれるため、実際の口座への手取り額は普段の6割〜7割程度まで落ち込む感覚になります。

③ 休職2年目以降:給与ゼロになり「傷病手当金」へ移行

休職が1年を超えると、自治体からの給与支給は完全にストップ(無給)します。

その代わり、加入している共済組合から「傷病手当金(標準報酬日額の約3分の2)」が最長1年6か月にわたり支給されます。さらに自治体によっては、その後の半年〜1年間「傷病手当金附加金」などの独自給付が出る場合もあります。

期間身分区分支給されるお金手取りの目安
初日〜90日目病気休暇(有給)給料100%(満額支給)普段の約9割
91日目〜1年目分限休職(1年目)給料の80%(休職給)普段の約6〜7割
1年超〜最長3年分限休職(2年目以降)給料ゼロ ➔ 傷病手当金普段の約5〜6割

④ 最長で「3年間」の身分保障がある

公務員の分限休職の期間は、法律および条例により最長3年間と定められています。

つまり、90日で治らなかったとしても、最長で3年間は身分を失うことなく治療を続ける権利が法的に保障されています。3年を経過しても復職できない場合に初めて「分限免職(退職)」が検討されるため、休職初期の段階で過度に退職を恐れる必要はありません。

休職中の給料8割の計算式や、無給期間の傷病手当金の手続きについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています👇

6. まとめ:制度は心と体を守るための防波堤

真面目で責任感の強い公務員ほど、「自分が休むと周りに迷惑がかかる」「90日も穴を開けるなんて申し訳ない」と自分を責めてしまいがちです。

しかし、病気休暇も、その後の休職制度も、これまでの勤務実績と高い共済掛金によって支えられた、職員の正当な権利です。

土日を含む90日間という期間は、短く感じるかもしれませんが、心身の興奮を鎮めて冷静さを取り戻すには十分な時間です。先のことを一人で抱え込まず、まずはブレーキをしっかり踏んで、心と体を休ませてあげてくださいね。

💡 療養中のお金と将来の不安を軽くするために
休職中の給与や手当の仕組みを把握した後は、「組織に依存しすぎない生活の土台」を整えておくことが心の大きな支えになります。公務員が無理なく備えられる資産形成の考え方はこちらにまとめています👇

法律や条例で守られた手厚いセーフティネットは、組織にしがみつくためではなく、自分の心と家族を守るための「盾」です。制度や資産を味方につけて、組織の我慢比べから降りるための全体像はこちらで詳しく書いています👇

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この記事を書いた人

【名前】なす(40代・元公務員)

激務とプレッシャーからメンタル崩壊&休職を経験した40代。
資産形成(支出見直し+積立投資)で資産5,000万円を達成し、公務員を退職して「心の自由」を獲得しました。
このブログでは、かつての自分と同じように一人で苦しんでいる公務員に向けて「休職・退職の乗り越え方」や「お金で作る逃げ道」を発信しています。

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