公務員が療養休暇や休職に入り、過酷な激務や人間関係から物理的に距離を置けたとしても、他にも不安なことがあります。
なぜなら、「働いていない(あるいは給料が激減している)」にもかかわらず、あなたの口座からお金が減っていく「ある制度」が待ち構えているからです。
ここでは、私が実際に直面した「税金と社会保険料のこと」と、厳しい家計をすべてお話しします。
※本記事に記載している住民税や共済組合掛金の取り扱いは、地方税法および地方公務員等共済組合法、筆者の実務・受給経験に基づきます。住民税の納期や共済掛金の払込方法(口座振替・納付書等)は、所属自治体や共済組合支部によって異なる場合があります。
① 前年所得課税の住民税は免除なし!手元の現金が減っていく現実
給料が減少しようが無給になろうが、前年の高い所得に基づいた住民税が毎月満額請求されます。
仕事を休んで給料が8割にカットされたり、休職が長引いて無給になり共済組合からの傷病手当金だけの生活になった時。あなたにのしかかってくるのが「住民税」です。
傷病手当金になっても支払いは続く 地方税法に基づき、個人の住民税(市町村民税・道府県民税)は「前年の1月1日から12月31日までの所得」に対して課税されます(前年所得課税)。
傷病手当金自体は「非課税所得」に該当するため、手当金に対して税金はかかりません。しかし、今現在の収入がゼロに近かったとしても、「前年、あなたが身を粉にして夜勤や時間外勤務をこなして稼いでいた頃の高い所得」をベースに計算された重い住民税が、毎月請求されます。 「病気休職による減収」を理由とした免除や減免の措置は、原則として存在しません。
私の場合、普段の手取り40万円前後があだに。
私は平成18年4月に採用され、約20年間地方公務員として働いてきました。5年前に責任の重い「係長職」へ昇任してからは、上と下との苦しい板挟みの日々でした。
直属の上司は、相談してもこっちを見ず、意を決して報告すれば冷たく「それで?」。
タイミングを計って動けば「なぜ早く報告しない、遅い!」と叱れました。その一方で、部下たちからは愚痴や文句が絶えません。 そんな状況に頭の中がグルグル、動悸や息苦しさに苦しんだ末、精神科のクリニックを受診、「ストレス障害」の診断書を出して療養休暇に入りました。
休職直前、私は月に約40万円前後の給与を得ていました。
毎月稼いでいたからこそ、パートの妻と、高校3年の長男、高校2年の次男、中学2年の三男の「家族5人の生活」を支えることができていました。
しかし、これが休職後に「リバウンド」となって私を襲ったのです。 過去に高い給料やボーナスをもらっていたということは、その分、翌年に支払うべき住民税も「高額」になるということです。
病気休暇の90日が過ぎれば給与は80%にカットされ、やがて無給になります。収入が激減・消失する中、毎月の生活費は変わりません。そこに追い打ちをかけるように、「前年のフル稼働時に課税された重い住民税」が、口座から数万円単位でドカンと引き落とされるのです。

「収入は激減したのに、税金は満額・・・。」
引き落とし後の預金残高が減っていくのを見て、私は冷や汗が吹き出し、文字通り「血の気が引くような焦燥感と恐怖」を感じました。
ただ生きているだけでお金が消えていく。この前年所得課税という法律の壁は、メンタルが弱った私にとって、なかなか厳しい現実でした。
② 病気休職は「掛金免除」の対象外!共済組合の社会保険料を自腹で払うストレス
無給の休職中であっても、共済組合の社会保険料は「自腹」で毎月全額払い続けなければなりません。
税金と並んで休職中の公務員に重くのしかかるもう一つの制度が、健康保険や厚生年金に相当する「共済組合の掛金(社会保険料)」です。
会社員や公務員が「育児休業」を取得した場合は、公的制度によって健康保険料や厚生年金保険料(共済掛金)が全額免除される特例が認められています。 しかし、地方公務員等共済組合法上、「病気による休職」には掛金免除の措置は存在しません。
たとえ病気で倒れて自治体からの給料が「1円も出ない無給(0円)状態」になっても、共済組合の資格(健康保険や将来の年金権)を維持するため、「短期掛金(健康保険相当)」と「長期掛金(厚生年金相当)」は毎月全額自腹で支払い続ける義務があります。
この場合、給料天引きができないため、
- 自宅のポストに届く「共済掛金の払込取扱票(納付書)」(毎月数万円)
- 役所から送られてくる「個人住民税の普通徴収納付書」(毎月数万円)
これらを持って、働けない罪悪感を抱えながらコンビニや金融機関の窓口に並んで自腹で支払わなければならないのです。通帳から現金が減っていく現実は、療養中のメンタルを深くえぐります。
そんな制度のなか、私を現実に踏みとどまらせ、安心感を与えてくれた「最後の切り札」がありました。
それは、15年前から個別株やFX豪ドルでの手痛いロスカットの失敗を経て、SBI証券で全世界株式(オルカン)や米国株式(S&P500)を中心に、手取りの20%以上を淡々と回し続けて築き上げてきた資産の盾です。
保有資産評価額 51,117,065円(うち含み益:+32,844,912円)
- ニッセイ外国株式インデックスファンド: 評価額 17,924,174円(含み益:+13,649,945円)
- ニッセイ日経225インデックスファンド: 評価額 8,938,108円(含み益:+7,243,075円)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500): 評価額 3,772,008円(含み益:+2,181,935円)
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド: 評価額 4,567,404円(含み益:+2,792,327円)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー): 評価額合計 約9,850,593円



「この5,100万円の運用資産がある。足りない生活費や、住民税・共済掛金は、この資産を取り崩せばカバーできる」
「このお金のおかげで、あの冷酷な上司の元へ無理に復職する必要はどこにもないんだ」
この客観的な数字を画面で確認し、胸を押し潰していた重圧と、自責の念からくるストレスが、少し和らぎました。


公務員が病気で休職する際、制度上のセーフティネット(療養休暇・傷病手当金)は確かにあります。
しかし、それらを容赦なく打ち消す「住民税の前年課税」や「共済掛金の自腹納付」という現実の罠が待ち構えています。
働けなくなって収入が途絶えても、容赦なく税金と社会保険料の請求書が届く。預金残高が猛スピードで削られていくあの恐怖から自分と家族を守る方法は、ただ一つ。
「いざとなったら運用益から払えばいい」と言えるだけの【資産という名の逃げ道】を、元気なうちから1日でも早く作っておくことです。
銀行窓口の手数料が高い商品にカモにされず、公務員が堅実に資産を築くための「ネット証券(新NISA)選びの最適解」は、以下の記事で分かりやすく比較・解説しています。








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